就職活動を進めるにあたり、業界分析を行ったり、ビジネスマナーを覚えたり・・とやるべきことがたくさんありますが、その中でも最も大切な準備は「自己分析」です。
ある調査では就職活動において「もっと早く取り組めばよかった」と感じていることで1位に自己分析がくるほど(*1)、自己分析をいかにできているかで結果は大きく変わってきます。
(*1) 一般財団法人雇用開発センター2018年卒大学生就職活動調査
ではなぜ自己分析とは何か、なぜそれが大事と言われるかについて考えてみましょう。
自己分析とは、自分の長所・専門能力・ビジョンについて自分に問いかけて整理してみることです。
この情報を整理することで、自分に向いている仕事とやりたい仕事が見えてくるので就職活動の方向性を決める助けになります。また、選考に進み、エントリーシートや面接で自分のことを伝える際にも答えに迷うことなく説得力のある言葉で説明することができます。このように、自己分析は就職活動の方向性(ビジョン)を定める時から選考にかけてまで、就職活動の全てのステップに絡んでくる重要なカギとなります。
自己分析の大切さがわかったところでどのようにすれば良いかわからないという声が多く聞かれます。
そこで、今回は自己分析を行うための基礎的なステップをご紹介したいと思います。
好きなこと、自分の強み、長所、興味があること、「こうなりたい」というビジョン、価値観、スキル、嫌いなこと、苦手なことなど得意不得意なこともすべてキーワードで書き出してみるということから始めましょう。
就職活動においては「どんなスキルを活かして、どうなりたいのか?」ということを自分自身で把握することが大切になります。ただし、それをはじめから文章で表現するのはとても難しいことです。例えば、「どうなりたいか」と漠然と考えるよりは「自分は将来どんな暮らしがしたいか」と考えれば少し答えが出やすくなるかもしれません。このように、1つずつ簡単な答え・キーワードを積み重ねていって将来のビジョンや自分自身について整理していくことが重要になります。
STEP1で洗い出したキーワードはそのまま放置するのではなく、さらに掘り下げることが大切です。
まず、なぜそのキーワードが重要なのか、その根拠となる過去の出来事やエピソードを考えてみましょう。
またその出来事の中で努力したこと・うれしかったこと・辛かったことをどんなに小さなことでも良いので書き出してみましょう。その結果として出来事から学んだこと、成長できたことは何かを最後に考えることで「仕事の場面でどのように活かせるか」につなげていくことができます。
自己分析の基本的な流れは前述のとおりですが、他にも様々な方法がありますので是非自分自身に合った、効率の良い方法を試していただくことをおススメします。ただし、いずれの場合にも必ずアウトプット(書く・話す)を行うようにこころがけてください。
~自己分析の方法の例~
✓ 自己分析ツールを使う
✓ 自己分析ノート・シートを作る
✓ 他人に客観的に分析してもらう
エントリーシート(通称ES)は 日本の就職活動文化特有の応募書類になります。履歴書がご自身の基本的な情報やスキルを主に記載するものに対して、エントリーシートは自己PRや志望動機など自分自身のアピールを行うツールになります。自己分析をきっちりと行ったうえで取り組むようにしましょう。
エントリーシートでよく聞かれる内容としては、以下の4点があげられます。
・長所と短所
・自分の強み(自己PR)
・学生時代に力を入れて取り組んだこと
・志望動機
ここでは自分の強み(自己PR)の文章の作り方(書き方)を考えていきたいと思います。
基本的な流れは自己分析のときと同じです。
まず、一言で自分自身の強みやエピソードを表現した後それについて深堀していきます。
例:私の強み(特徴・良いところ)は~です。
私は~に自信があります。
☞まずは簡潔に、上記のような文章で一言で表します。
例:その強みを発揮できたのは~のときです。
☞エピソードのサマリーを簡潔に説明します。
・②のエピソードでどんな課題や目標があったのか
・課題や目標に対してどのように取り組んだのか
・その結果どのようなことが起こったのか
をより具体的に書いていきます。
☞「10%の売り上げUP」など数字を入れたりすることで具体性があがって読み手がイメージしやすくなるので取り入れましょう。
例:この強みを今後~(どのように)~活かしていきたいと思います。
この学んだことを今後~(どのように)~活かしていきたいと思います。
☞自己PRはご自身の過去の経験を語るだけではなく、その経験や強みを会社にどのように貢献できるかというところまで説明する必要があります。
全ての要素を洗い出せたら1つの文章にまとめてみて、スムーズに読めるか、内容にわかりづらい点がないかなど確認しましょう。
エントリーシートも自己分析もすぐにできるものではありませんが1つ1つ小さなステップを踏んで取り組んでいくことが大切です。就職活動のスケジュールをふまえて余裕をもって準備を行うようにしましょう。